「舞香の話では
面白そうだけど・・・
オレは実際に行ったことも
見たこともないしなぁ」

そう。
海斗だって例外ではなく、
学園祭が面白いものってことしか
わかってない。

「はぁ」

「溜め息つくなよー」

「だって・・・・」

「だって?」

私は歩む足を止めた。

「私・・・
人に説明するのヘタだし、
あんま仕切るってこと・・・
したことないんだよねー」

「説明するのヘタって・・・
よく言うよ」

「はい?」

私は海斗の言葉が理解できない。
私が説明がへたって事ぐらい
海斗だって解ってるはずだ。

「説明がヘタだったら
今頃、英語論文発表会の準備に
みんな走ってるよ
舞香が説明上手いから
みんな賛成してくれたんだよ」

「・・・・」

「すごいよ」

「全クラス納得させるなんて」

私達の学年は全部で五クラスある。
しかし、別に私が
わざわざ他のクラスに言ってまで
説明して、納得させたわけじゃない。

「舞香の説明が上手くて
わざわざ他のクラスの人に
説明しなくても噂だけで
全員一致でOKだしちゃうなんてさ」

・・・・この天然はそう自分で解釈してる。
何処まで鈍感になれば
気が済むんだか・・・

本当は違う。
海斗が面白そうだからこれが良いって
言うからだよ。
それを聞いた早乙女百合が
根回し的なことしたんだよ。
まぁ・・・・
早乙女のこと溺愛してる男子が
たっくさぁんいるから
大したことじゃないんだろうけど

さすがに私も感嘆するよ・・・

なんてったって手なずけてますから