BITTER CHOCOLATE




 


「 …ちょっと見せて 」

「 へ? 」




突然、男の人は私の手をどかし、おでこを覗き込んだ。



ち、近い!近いんですけど!?




「 めっちゃ腫れてんじゃん! 」

「 だ、大丈夫です 」

「 何が大丈夫なわけ? 」




息のかかる距離で会話をしている。

王子様の顔が間近にあるが、この距離で見れるはずも無く、

男の人の視線に耐えられず、下を向いたまま赤くなる顔を隠した。