「 多分それ、成瀬 隼人(なるせ はやと)だと思うけど 」




王子様の仮面を被った悪魔に出会った翌日。

昨日はあまりに、ムカつきすぎて話せなかったので

今になって亜子に悪魔の話しをしている。




「 な、何で知ってるの?! 」




ガタン!と席を立ち上がり亜子の肩を揺する。




「 だって、この学校のアイドルみたいな人だし。
  むしろ、何で知らないの? 」

「 あの悪魔がアイドル?!
  有り得ない! 」




声を荒らげる私に対し、いつもより小さめな声で話す亜子。

普通でも小さいのに、それ以上小さくしたら聞こえな……




「 栗原! 」




…………………え?




「 お前授業中に何のアイドルの話ししてんだ? 」

「 え?あ、す、すいません… 」




………今が授業中だって事忘れて取り乱しちゃったじゃんかー!