ガシッ!!!!
…は?
亜美が
力強くアタシの腕を掴んで
修二の所へ向かって
進んで行く
あ…み?
亜美は無表情のまま、
修二の前に立って
そのまま、
空いてる方の腕で
修二の片腕を、思いっきり掴む
「アンタ何してんの」
聞いた事のないような低い声
ぴょこっ、と
亜美と修二を覗く女の人と
やべぇ、って顔の修二
そりゃそうだよね
本命の前に、
浮気相手と
その友達が来たんだもん
「何してんの、って聞いてんだけど」
低く冷たい声で言い放つ
「デートだよ?」
…確定した
アタシは浮気相手
堂々と、
尚且つ、平然と
答える女の人の声に
少しムカついて
その言葉に
悲しくなった
やだよ…
もう…逃げたい…
でも、
キモチとは裏腹に
固く掴まれた腕のおかげで
全くびくともしない

