恋煩い





「…妹とアタシ、この子の友達です」



『失礼します』



そう言って、



亜美の力に負けないように



走る



妹の友達…



自分で言っといて



死ぬほど辛い



涙がこぼれないように



必死で走る



「…奈留…」



亜美ごめんね?



ありがとう…




ガチャ…



懐かしい家のドアを開ける



「あなたー?今日は早いのねー♪



あ、ハンバーグ



もうすぐできるわよー‼」



久しぶりの実家



お母さんは



台所に立ったまま、



振り向かない