その瞬間、
紀伊斗の顔が一気に下がったのを、
あたしは見逃さなかった。


「…?

 紀伊斗?」



『…。

 ンだよ・・・。

 なンか文句あんのかよ!』



「…?

 どうしたの?

 疲れてる?

 顔暗いよ…?

 熱あるのかな。」



あたしは紀伊斗のおでこに手を置いた。






その瞬間―――…。