「お母さんっ!!

 お父さんっ!!

 早く行こうよ!!」



『紀伊斗っ!

 ちょっと待ちなさい!

 紀伊斗ったら!』



『まあまあ、いいじゃないか。

 久しぶりの家族旅行なんだ。

 楽しませてあげよう。』



『そうね。

 本当に、紀伊斗ったら楽しそう。』



俺はあの時、

6歳で小学1年生だった。


俺の家庭はとても裕福で、毎日幸せに暮らしていた。