カミヒコウキ、トオクマデ。


海の問い掛けに
意味が分からなくなる。
「?」で頭が埋め尽くされる。

「だから、佐奈子はオレが外川に告ってホントにいいの?」
彼はもう一度ゆっくりそう言う。
『告っていいの?』
そう聞かれたって
ものすごい困る。
段々と私の顔から作り笑いが消えていく。
その代わりに掌の汗がさっきよりすごい。

「私には関係ないよ」

声が掠れ、震えているのが
分かった。
我ながら情けない。