***** 週が明けて月曜日。 ゴールデンウィークは目の前。 「おはよ、雨音さん」 席に着いた私に声をかけて来た松本君は朝から眼鏡をかけている。 手元には閉じられた文庫本があるから、きっと今まで読んでたんだろう。 「おはよう松本君。何読んでるの?」 「ん?ああ、これ。もうすぐ映画になるやつ」 慣れた手つきでブックカバーを外して、表紙を見せてくれた。 「あっ!それ面白そうだなーって思ってたんだ」 「もうすぐ読み終わるから貸そうか」 そう言って松本君はさっと眼鏡を外してにっこり微笑んだ。