ジェネシス(創世記)

神官たちは、数千人の兵士を集(あつ)めた。反対にミデ人は、数万人もいた。正攻法では勝てるわけがない。ラエルの兵士たちは「主」に守られている証拠が、確信が欲しかった。それをオンに求めた。

 オンは一束の羊毛を、打ち場に置いた。翌朝、オンが兵士たちの前で羊毛を取り上げると、羊毛は朝露にぬれていてもその地面はぬれていなかった。乾いていた。兵士たちは、「主」の奇跡だと思わず信じた。

何のことはない、オンが隠し持っていた土をばらまいては、乾いた土のように見せかけたのだ。

単なるマジックで兵士たちをごまかし、「主」の奇跡だと信用させたのだ。これも神官たちの悪知恵だ。

 ラエル兵の中には、臆病者が数多くいた。これでは、他の兵士たちの士気を低下させかねない。勇気と根性があり、体力的にも戦士として優秀な人材を選別せざるを得なかった。最初に老人と子供を去らせ、次に臆病者を去らせた。

 オンは特訓後、泉で兵士に水を飲ませた。その時、犬のように浅ましく飲み干す者を去らせた。上品で礼儀を重んじ、手で水をすくった者を兵士として採用した。

それは兵士として、戦火の中でも冷静沈着な態度で状況判断を的確にこなせると思ったからだ。

 選ばれた一00名の兵士を、短期間で「忍者」にする課題を与えられた。有能なコウガ忍者は、二0名しかいない。彼らが先生として、素人の兵士約一00名の教育を担った。

「主のために、ギデオンのために剣を(士師記)」