ジェネシス(創世記)

放射線を防ぐ特殊な鉛メッキで、方舟の内壁・外壁を被覆させた。さらに外壁と内壁の間に、不純物を含まない「ジェル状の蒸留水」を注水させた。中性子線から守るためだ。

 それは、現場の従事者たちの意見を参考にしての設計だった。デンマークの大学に在籍するユダ人教授が、放射線を中和、無力化させる装置を開発していた。

その装置も、極秘に運ばせて方舟に取り付けた。物理学者は、同じ過ちを二度と繰り返さなかった。

 また物理学者は、ドイツにある「放射線医学研究所」に勤務している友人から、「放射線排出薬」を取り寄せた。

放射線を浴びると、体内に遺伝子を傷つける「フリーラジカル(遊離基。不対電子)」という高分子が作られる。

その錠剤がフリーラジカルを吸収し、尿や汗などとして排泄する。その効果は確かに現れた。染色体異常が激減していた。

副作用もない。物理学者の人脈がなければ、この医薬品は、入手できなかったことであろう。

 電子は二個一組の整数値で、構成されている。反面、一個の奇数値、対を構成しない不安定な状態となる。

そのため分子と結合し、反応しやすくなるのだ。その薬剤の主原料は、大豆加工食品など、日本製の食品に多く含まれていた。

 また司祭者の研究により、「放射線抗体菌」が発見された。放射線を浴びても、簡単には死滅しない特殊な細菌だ。このワクチンの投与により、乗員の生命は救われた。