火星の周回軌道を回っている一七機の宇宙ステーションと、五0機の宇宙船に連絡を取ってみた。なぜ応答がない。
全乗員が、冷凍睡眠装置の中で息絶えている。死んでいる。変だな、宇宙船の軌道が多少ずれている。宇宙からの衝撃波を、受けたみたいだ。
何が起きたのだ。新政府の宇宙船に、交信を試みた。マザー・コンピューターに記録が残っていた。原因は「太陽フレアー」による放射線の被爆だ。
大規模な太陽フレアーが、睡眠中に五回も発生している。この大爆発により、強力なアルファー粒子が閃光(シンチレーション現象)を発した。その直撃を受けて、全員が死亡したようだ。
方舟が、衛星フォボスの陰に運よく入り込んでいたおかげで、私たちは助かったようだ。
放射線の防御設計は、私が正しかったのだ。政府軍の宇宙船は、戦闘を想定した設計だから部分的に内壁を薄く計算していた。
方舟は、放射線の直撃死は免れたが、被爆していることにはかわりない。少し、寿命が延びただけだ。
地球にも交信してみた。どこの国からも基地からも返事はない。全ての人類が全滅しているとは思えない。
何人かは、想像を絶する天変地異の環境の中でも生き残っているはずだ。通信機器が使用できないだけだ。そう、信じたい。
それとも、本当に文明を失ったのかもしれない。光分子望遠鏡で眺めると、地球の表面は厚い黒雲に覆われて確認がとれない。太陽光が届いていない。小氷河期となっている。
連絡さえとれない。この先、サメやゴキブリやカラスが地球を支配するのであろうか。人類が生存していることを、切に願うだけである。
生存が確認されている人類は、この方舟の乗員だけだ。たった一00名しかいない。これから私たちは、どうすればよいのだ。
「海に出て 木枯らし帰る ところなし(山口誓子)」
全乗員が、冷凍睡眠装置の中で息絶えている。死んでいる。変だな、宇宙船の軌道が多少ずれている。宇宙からの衝撃波を、受けたみたいだ。
何が起きたのだ。新政府の宇宙船に、交信を試みた。マザー・コンピューターに記録が残っていた。原因は「太陽フレアー」による放射線の被爆だ。
大規模な太陽フレアーが、睡眠中に五回も発生している。この大爆発により、強力なアルファー粒子が閃光(シンチレーション現象)を発した。その直撃を受けて、全員が死亡したようだ。
方舟が、衛星フォボスの陰に運よく入り込んでいたおかげで、私たちは助かったようだ。
放射線の防御設計は、私が正しかったのだ。政府軍の宇宙船は、戦闘を想定した設計だから部分的に内壁を薄く計算していた。
方舟は、放射線の直撃死は免れたが、被爆していることにはかわりない。少し、寿命が延びただけだ。
地球にも交信してみた。どこの国からも基地からも返事はない。全ての人類が全滅しているとは思えない。
何人かは、想像を絶する天変地異の環境の中でも生き残っているはずだ。通信機器が使用できないだけだ。そう、信じたい。
それとも、本当に文明を失ったのかもしれない。光分子望遠鏡で眺めると、地球の表面は厚い黒雲に覆われて確認がとれない。太陽光が届いていない。小氷河期となっている。
連絡さえとれない。この先、サメやゴキブリやカラスが地球を支配するのであろうか。人類が生存していることを、切に願うだけである。
生存が確認されている人類は、この方舟の乗員だけだ。たった一00名しかいない。これから私たちは、どうすればよいのだ。
「海に出て 木枯らし帰る ところなし(山口誓子)」


