ジェネシス(創世記)

「天使たちは天の果てから果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める(マタイによる福音書)」

 なぜ、私たちが選ばれたのだ。みんな、「主」からの夢のお告げを見たと言っている。国籍も人種も宗教も慣習も、生活文化も違う。

「主」が必要としている人材は宗派ではなく、火星に向かう科学者たちを求めていたのだ。

 ユダ人の司祭者は、ボソッと語ったことがある。大半が、古の時代から受け継いだユダ人の遺伝子を所持しているというのだ。

そんなこと、安易に信じるわけにはいかない。司祭者は、権威ある医科大学の教授も兼ねている。専門は「細菌及び遺伝子治療」だ。

 全員の医療記録は、一個一平方センチメートルのナノチップ(超極小記憶媒体)に記録し、どこか厳重な船内に隠しているはずだ。それを見つけて調べれば、私たちのDNAが判明するかもしれない。

 ちなみに、このチップ一個に、ワシントンにある国際図書館分の書籍が収納されている。しかも電気信号ではなく、「素粒子信号」によって記憶されている。量子テレポーテーション内臓の書籍チップだ。

 DNAと言えば、二000年代に「クローン臓器移植法」が成立した。当初は細胞の一部から、臓器の複製を作る目的で制定された。

その後、子宝に恵まれない夫婦のために法律が施行された。さらに少子化が進むと、「クローン人間」を公認せざるを得なくなってきた。

 今では国王や科学者、政治家や将軍たちの一部の人たちだけが、クローン人間の誕生を認められた。

けれども、ここに集まった人たちは、純粋な民族の遺伝子をもった人たちだ。決してクローンではない。少しは、クローン人間がいるかもしれない。