ジェネシス(創世記)

二三00年、後半。火星での研究もだいぶ落ち着いてきた。核融合装置によって得られる反重力装置で、葉巻型や太巻き寿司型の宇宙船が、幾つも建造されて飛び立った。

この形は、宇宙空間で滞在した場合、横に回転できるようになっている。船内に「重力」を発生させるためだ。ただ地球と同じ重力は、得られなかった。とても弱い。

 研究も最終段階に入っている。新型の国際宇宙ステーションは一0機以上も存在し、一機五0名ほどの研究員とその家族たちが生活している。探査衛星の役目も、終わりを遂げている。火星上空をただ回っているだけの存在だ。

 それでも将来何か役立つかもしれないので、爆破を見送っている。探査衛星も、打ち上げの失敗や故障した数を含めると数千機にもなる。むしろ、失敗の積み重ねによって、今日の成功に至っている。