ジェネシス(創世記)

「木枯らしや 目刺しにのこる 海のいろ(芥川龍之介)」

 二三00年代。衛星に搭載したニュートリノビームの照射により、地中の氷塊に反応させて、水分子が熱エネルギーに変換された。

氷塊が大量に溶け出し、低地に水がたまり徐々に広がりをみせるようになっていった。淡水(塩分のない水)の海だ。

 その後、無人工場で水を電気分解させて、酸素と水素を作り出す。酸素を取り出し、大気を形成させる。水素はエネルギーに使用する。

 窒素を産出させる無人の化学工場も、建設した。また微生物によって、窒素を生産する工場も建設された。

それらは遠隔操作によるロボットが、作業に携わった。イギリスの、ロボット産業の株価が高騰した。

 窒素は、火星と木星の間にある「小惑星帯」からも得られた。小惑星には、窒素の他にケイ素(Si。半導体やシリコンの原料)などが含有されていることも判明した。

それらを採取し、鉱物資源として使用することになった。それは、東南アジア諸国が担当した。

 現在の薄い火星の大気圧濃度では、たとえ海が形成されても、水蒸気となって宇宙空間へと拡散されてしまう。

極冠にある二酸化炭素の氷(ドライアイス)を溶解すれば、それが上空で滞空し気温が上昇し、温室効果が得られる。

これにより大気圧を上げることも可能となる。放射線や強い紫外線からも守ってくれる。

 居住施設は、地下に建設された。それらは温暖な赤道付近に建築された。地上での居住施設は、遠隔操作によるロボットによって建設されてはいるが、まだ環境は整っていない。

将来、いつでも住むことができることを願って都市開発を進めている。