ジェネシス(創世記)

ズボアは農地を耕し、麦や野菜などを栽培して神官や司祭者や軍隊に、税金として納めた。鮮度が良好で見た目の良い野菜類を、「農業協同組合(農協)」が格安で買い占めていた。

それが唯一の収入源だった。時には、パレス人や盗賊たちに、収穫した作物を略奪されることもたびたびあった。

 戦争が深刻になると、税金の取り立てはいっそう厳しくなった。年収は低く、決して豊かな生活とは言えない。

変形した作物などは、家族で食べるか牛や馬のエサとなった。それでも、大量に余ると、オウミは漬物にして冬の保存食とした。

 ズボアはオウミと出会い、ツルと結婚してから運気が不思議と急激に上昇した。オウミには、商売に対する才能があったようだ。

即断力、判断力、直感力、決断力、行動力、それらの才能を振るにいかしてズボアに提言した。それがズボアに富と名声をもたらした。

 オウミは、農協に反発して町の中で露店商を開業した。今まで捨てていた作物を、自分たちで市場に出向き、直接販売を始めたのだ。

見た目が多少劣るので、ラエルの庶民たちには低価格で売りさばいていた。形が不ぞろいでも、多少傷んでいても味には自信があった。もぎたての作物の販売は、特に評判が良(よ)く、昼までには完売してしまった。

 今までの露店商たちは、粗悪な商品を販売しては多額な利益をむさぼっていた。けれどもオウミは人望に厚く、決して消費者を裏切ることはなかった。

鮮度が低下すると、商品を値引いて販売した。信頼感が幸いして、ズボアの農場は商売繁盛へとつながった。

 さらにオウミとツルは、漬物を作っては販売した。牛からは牛乳を始め、ヨーグルト、バター、チーズなども作って販売するようになった。ハムなどの燻製品、ソーセージ、サラミなど長期保存が可能な食品製造にも取り組んだ。

 商売が軌道にのると、工場を必要とした。家や農場を担保に入れ、銀行から資金を借り入れて事業を拡張させた。

ズボアは会社を設立し、ベツレヘムではベストテンに入るほどの大会社にまで急成長するのであった