太陽~光~

――今、私はあなたの隣で泣いている。

「…向…日向ぁ…ッ!!」

これで何回目だろう?あなたのことで、泣いたのは。


「大丈夫です…落ちついてください!日向君は、生きていますよ」

医者は、ゆっくりと冷静に言った。

「…本当に?」

「本当です。ただ…」

「ただ…?」

「記憶を、失っているかも、しれません…」

途切れ途切れに、医者は呟いた。

「…記憶喪失って、やつですか…?」

「恐らくその可能性があります。」

「そんな…ッ!」

絶望に近い悲しさだった。まさか日向が、…何で??私の心の中には、疑問と寂しさしか残っていなかった。

「…ん…」

「日向!」

日向は目を覚ましたようだった。

「…ここは…?」

「病院だよ!大丈夫?私のこと、覚えてる??」

「橘さん、ちょっと落ち着いてください。いきなり質問攻めはいけません」

「あ、でも…」

「少し待ってくださいね。日向君、わかるかな?」

「…俺は、日向っていう名前なんですか?」

何も知らないように、日向は問いかけてきた。

医者は首を横に振った。

「そんな…日向が…」