あたしが教室に入ると,皆の視線がこちらに向けられた。


「恋紗来たんだぁ」


「う…うん…」


「木下!!大丈夫なのか!?」


「何とか…」


「教科書は優希に見せてもらえ」


「ごめんね…」


「全然大丈夫だよ。」


この時間,あたしは優希君に教科書を見せてもらった。


健人君の視線がずっとあたしの背中だってことは,気づかずに…