お線香をあげ
数珠を持ち
海渡くんと
会話する
私の次に
孝二さんが
海渡くんの前に
座った
いつもは
静かに手を合わせる
孝二さんが
声を出して
話し出した
「なぁ‥海渡。今日はお前にお願いがあって来たんだ。俺‥友ちゃんと結婚を前提に付き合いたいと思ってる。許してくれるよな‥」
私はびっくりして
孝二さんを見た
「‥孝二さん‥」
孝二さんは
私の方に向き
はっきりとした口調でもう一度言った
「友ちゃん‥俺と結婚を前提に付き合って下さい。」
「孝二さん‥私は‥」
孝二さんは
私の頭を撫でながら
言った
「返事は今じゃなくていいから。」
「海渡。結果はまた今度報告するよ。じゃまたな。」
私達は
海渡くんの
お墓を後にした


