その後
どうやって
家まで帰って来たのかも
覚えていない
いったい
何が起きたの‥
私は自分の部屋に
閉じ籠り
起きてしまったことを
受け入れられず
涙も出なくなった
人間哀しすぎると
心が現実逃避して
声も出ない
涙も出ない
感情のない
ただの人形
その後
お通夜
そしてお葬式
お父さんとお母さんが
私を
連れて行ってくれた
誰のお葬式に
出てるのかさえ
この時の私は
分かって
なかったのかも
しれない
最期のお別れの時
目の前に眠る
海渡くんの頬を
そうっと
両手で包み込んだ
穏やかに
微笑む海渡くんの
頬は冷たく
その時初めて
海渡くんが
永遠の眠りに
ついたことを
実感した
止まっていた
感情が
涙が
溢れ出す
その場に
立っていられず
お父さんとお母さんに
抱えられ
その場を後にした


