タイムマシン






お母さんが
タクシーを呼んで
二人で急いで
病院へ






病院へ着いた時には
もう‥海渡くんは
帰らぬ人になっていた





「‥友子ちゃん‥さっきまで‥友子ちゃんの名前‥呼んでたのよ‥海渡に‥逢ってやって」



海渡くんの
お母さんの言葉が
遠くから
聞こえてるようで






目の前の
海渡くんは
とても穏やかな顔で
ただ眠っているようで




「ねぇ‥海渡くん‥
朝だよ‥起きて‥
お願いだから‥
目を覚まして!
海渡くん!
海渡くん!」


私は海渡くんの
手を握り必死に
叫んだ





そんな私を
お母さんが後ろから
「‥友子‥海渡くんはもう‥」
そう言って抱き抱えた




その瞬間
「いやぁ―――――っ!」
私は泣き崩れてしまった








海渡くんは
私を迎えに来る途中
交差点で
信号を無視して
突っ込んできた車に
はねられ
救急車で病院に
運ばれ
その後息を引き取った