"良かったね(*ノ∀`嬉)
郁斗君といっぱい喋れたじゃん!"

授業中、柚から来たメモを見ると斜め後ろの柚に振り向いて、笑った。

うん。

すっごく嬉しい!!

あたしは恥ずかしがり屋だし、顔だって別に可愛いくないから…絶対郁斗君に自分から喋りかけれないもん。


郁斗君と同じクラスになって2ヶ月。

郁斗君を好きになるのにそう時間はかからなかった。

クラスの人気者でイケメンな郁斗君はもちろんモテモテで…、あたしになんかが手の届く相手じゃないけど…

それでも好きなの。

あたしが郁斗君を好きになったのは今から1ヶ月と少し前。

数字の時間の時…、分からない問題を当てられて困っていたあたしに、偶然隣の席に座っていた郁斗君が消しゴムを床に落とした。

「悪い、拾って?」

「うん、はい……。ぁ」

拾った消しゴムには

X=3,-2 と書かれていた。

郁斗君を見るとニカッと笑っていた。

その時、
ときめいたんだ。

ハートに矢が刺さるってこういう状態なんだって、ぼんやり思った。

その時から、あたしは郁斗君に恋している。

それだけ?
って思うかも知れない。
だけど、理由なんていらないんじゃないかな。

恋は理屈じゃなくて、
本能で感じるものだと思うから。