「ーあ、あ…ぁりがとぉ…」

震える手を伸ばして、郁斗君からシャープペンを受け取る。


「どういたしまして。早くしないと遅刻するぞ?」

クスッと郁斗君が笑うからあたしは更に真っ赤になった。


「ぅ…ぅんッ」


「じゃ」


バクバク心臓が鳴ってなんだか苦しい。

顔が熱い、よぉ…。

郁斗君の後ろ姿にぽわ~と見とれていると柚に叩かれて、あたし達も移動教室に向かった。