俺も好き…?

嘘、嘘……。

ポロリと涙がこぼれた。
今度は悲しくてじゃない、嬉しいから。


パチパチ!
うおー!!
きゃー!!
ひゅーひゅー!

びくっとして辺りを見渡すとみんながあたしと郁斗君を祝福してくれていた。

あの3人組のお客さんも手を叩いてくれている。

だれかが言った。

「メイドさんお持ち帰りしちゃえば?」


郁斗君は立ち上がると、あたしの手を握った。


「1時間メイドさん借りまーす」


見上げると郁斗君の笑顔が優しくあたしを見つめていて…

幸せすぎて死ねると思った。

走り出したあたし達の後ろにはまだ拍手が止まず暖かな音色をたてながら響いていた。