拭う叔父の手はあたたかい。


 この温もりは、罪だよ………。




 瞬間、私の中でなにかがぷつんと切れた。




 
 私は叔父の胸に飛び込んだ。




 
 シャツを掴む。


「バカ……」


 私も、叔父も。




 触れてしまったら、もう、離れられない。


 わかっていたのに。言い聞かせていたのに。


 やっぱり体は呆れるほど正直だ。




 呟いた声が聞こえたのか、聞こえなかったのかはわからない。

 叔父はなにも言わず私の頭を撫でた。


 まるで、腫れ物に触るようにそっと、じれったいほど優しく手のひらを動かす。



 叔父の胸に額を押し当てた。



「叔父さん……うっうっ、あぁぁ――――――――」



 流れる涙は、どうしようもなかった。

 止まらない。
 そうわかっていたから、
 
 私は泣いた。


 我慢せずに泣き続けた。