そうしてダブルデートみたいになって、ファミレスに向かった。

前田先輩には中学生の時から、お姉ちゃんが家に連れてきて、ちょくちょく会ったことがあった。
かれこれ、お姉ちゃんと付き合って1年経つ。
見た目は正直普通だけど、すごく優しい人だ。

「姉妹そろって可愛いよねー。由佳里のほうが美人だけど!」
前田先輩はもう惚気モードに入っていた。
「あれ、草岡じゃない?」
お姉ちゃんが、指差した先に、草岡先輩と里奈がいた。
「もう新入生食う気かよー」
前田先輩が言った。
「食うとか、妹の前で言わないでよー、バカー。」
「あれ、私の友達なんですけど・・・どうしたらいいですかね・・・」
そういうと無口だった北先輩が
「連れ返した方がいいんじゃない?」
とポツリと言った。
そしてお姉ちゃんも
「草岡は、危ないよ。友達が大切だったら、忠告しといたほうがいいよ。」
と真剣な顔で言った。
私は頷き、メールを打った。
『草岡先輩とファミレスいるっしょ?後ろ見てー!』
すると、里奈は後ろを向いて、手を振った。
私はおいでおいで言い、尚人さんと2人でうちのテーブルに合流した。