次に目を覚ますと俺の眼には、白い天井が映った…。

回りを何気なく見ていると、俺の他にも人が居るようだ…白い制服を着た女の人や、白衣を着た男の人。

そうか…ここは病院なんだな。

軽く薬品の匂いがする…俺は助かったのか。

意識が覚醒してきた俺は、人を呼ぼうとして起き上がろうとした…だが。

「っうっ!?」

俺の腹部に鋭い激痛が走った。

俺が一人痛みでもがいていると、一人の看護婦が俺の元に駆けつけてきた。

「カズヤ君!?先生!カズヤ君が目を覚ましました!」

看護婦さんは俺の意識が戻った事に気づくと、急ぎ先生を呼びに行った。

少し待つと、医者らしい白衣を着た中年の男の人が、早歩きで俺の元に来て…

「カズヤ君。気分はどうだい?」

と、冷静な口調で俺に聞いてきた。

「…解らないです。ただ、腹の傷が痛いです」

気分がどうのよりも、俺は腹部の痛みしか考えられなかった…。

先生は俺の言葉を聞き、看護婦さんに何か指示を出し俺に話しかけた。

「今から鎮痛剤を打つから、すぐに痛みは引くと思うよ」