カズヤはひとつ返事を返すと、一人の女性が部屋に入ってきた…。

「飲み物を持ってきたんだけど…話の邪魔しちゃったかしら?」

「そんなことないよサクラちゃん、ありがとう…」

サクラと言う女性はカズヤの返事に笑顔で応え、部屋に入ってきた。

腰に届きそうな綺麗な黒髪を、ゆるく縛り前にたらしており、顔立ちは男受けが良さそうな綺麗な顔立ちだ…そんなサクラの笑顔は、実物の桜の華やかさに負けていないと思う。

「はじめましてヒサジ君。高校生地区の臨時マスターのサクラです、よろしくね。」

「……えっ?」

サクラさんが臨時マスター?…うそだろ?

サクラはヒサジの反応を予期していたんだろう…ヒサジの失礼な反応に怒る事なく、笑顔で話してくれた。

「特例で私をマスターとして許可してくれたの。この町に住む女の子達のリーダーとしてね!」

サクラは最後にハートが出そうなウインクをしながら、ヒサジに説明してくれた。

殺人的に威力のあるウインクで…。

「…それにサクラちゃんは、合気道の有段者らしいぞ…」

カズヤは補足で、俺に教えてくれた。

それなら俺も納得だ…合気道は最強の護身術だからな。しかも有段者なら、そこいらの男じゃまったく歯が立たないだろう。

それぐらい合気道という武術は強力なのだ…。

「変な態度とってすみませんでした…ヒサジです」

「慣れてるから大丈夫よ。飲み物ここに置いとくから、好きに飲んでね」