「…悪い…驚かしたな…マリコちゃん…悪いけど飲み物貰えるか??喉が渇いちまってよ…」

ヒサジが目に溜まった涙を軽く腕で拭って笑顔でマリコに飲み物を頼んでいた…。

「えっ!?うん!!いいよ…お茶でいい??」

「お茶で良いよ!!…悪いな」

マリコが倒れているグラスを一度下げて新しいグラスにお茶を注いでいた…。

「そのままで良いのに…ありがとうマリコちゃん…」

ヒサジはマリコからグラスを受け取ると軽く飲み物を口に含んだ…。

長い付き合いだが…ヒサジのこんな姿は見た事が無い…。

こんな風に笑う仕草が…無理に作った笑顔にしか見えない…。

情緒不安定だ…心がここに無い…。

話に出て来るサヨちゃんの身に何かがあったのは間違いない…。

ヒサジがこの町に居て…サヨちゃんが一緒に居ない…。

想像したくも無いが…多分…。

「何回も話を切って悪いな…続きを話す…」

「無理に話す必要は無いぞヒサジ…辛いだろ??」

話の続きは気になるが…こんな辛そうなヒサジは見たくない。

「いや…最後まで話さしてくれ…ハヤトの気持ちだけ貰っとく…ありがとう」

「解った…俺達も最後までちゃんと聞くよ…」

ヒサジが続きを話すと決めたんだ…せめて…俺達はヒサジの思いを受け止めよう…。