転校して一番嫌な時間はこの昼休み。
今まで友達を作ろうとした事はなかった。
あの時のような涙を流し、あの感情を何度も味わうくらいなら友達は要らないし、作りたくない。
そう思っていた。

フラフラと購買部へ行き、“ひょっこりエビカツサンド”と言う変わったネーミングのサンドイッチと牛乳を購入。
誰もいない屋上で一人寂しく口に頬張る。

この学校の屋上には芝生(しばふ)が植えられており、風に揺られた芝生が孤独な僕を慰(なぐさ)めるようになびいていた。
それを見ていると人間とは一人で生きていけない弱い生き物なのだと思った。