絆の継承

「いい加減、目覚ましが鳴る前に起きんか」

「だってぇ~眠いよ」

「その閉じた目をこじ開けてチェックしろ」

 車を走らせながらベリルは荷物を投げ渡す。

「ふぁ~い……」
「……」

 寝ぼけ眼のダグラスにベリルはピキッと目を据わらせた。

「ぎゃっ!」
「チェックしながら歩いて来い」

 ベリルはダグラスを車から蹴り出すと言い捨てて走り去る。

「ちよっ!? 待ってよ……! ウソ……」

 十数メートルほど追いかけたが、車は止まる事無く走っていった。

「……マジで?」

 ダグラスは肩を落とし、まだ暗い舗装されていない道路をトボトボと歩き始めた。