「なんで俺はつれてってくれないんだよ!」

 ダイニングでライカが声を張り上げる。

 ブラウンの髪は肩まであり青い瞳に彫りの深い顔立ち。

 ベリルのもう1人の弟子だがベリル自身はそれを認めていない。

 ライカはダグラスを連れて帰ってきたベリルに、ばつの悪そうな顔をした。

 それも当然だろう。

 留守番に腹を立ててあんな手紙をよこしたのだから……朝食の準備をしているベリルにブー垂れるライカをダグラスは呆れて見つめる。

「……」

 あんな厳(いか)つい顔してるのに子どもみたい。

 もう27歳なのに……と小さく溜息を吐いて顔を荒いに洗面所に向かう。