絆の継承

「俺の息子だと思っていたのに……」

 自分の子ではないと気付いたのは5年前──誰の子かは解らないが彼は愕然とし妻を憎んだ。

 彼女がしている事に目を伏せ自由にしてやっていたのに……ここまで裏切られて彼は行き場のない怒りに震えた。

「愛していたのに! こんな裏切りは許せない」

 頭を抱え深い溜息を吐き出す。

 しばらく哀しみに目を閉じていたハミルだったが、ベリルを見据えて低く発する。

「お前ならここに来るだろうと思っていた」

「! 退(ひ)け!」

 口の端を吊り上げたハミルに何かを感じベリルは自分から離れるように声と手で示す。

 一斉にベリルから離れた傭兵たちの耳に重たい鉄のチェーンが移動するような音が上から響いた。