一通り撤収し終えたと感じたベリルが発する。

「我々も撤収だ。ダグ、レモンを」

 言われて少年は手榴弾を取り出す。

「抜いて向こうに投げろ」
「うん」

 指示通りにピンを抜き思い切り放り投げた。

 瞬間──一斉に走り去る。

 数秒ほどして後ろから爆発音が聞こえたが構わずに走り続けた。

「撤収完了だ。ランデブーポイントへ」

 工場から出てジープに乗り込み仲間たちが集まっている場所へ……そこは工場がよく見える高台だった。

 最後に来たベリルに仲間の1人が何かのスイッチを手渡す。

「……」

 それを受け取り工場を見つめた。