「受け取ったか」

 そこにベリルが戻ってきた。

「これは?」

「泉は爆発物に長けている。何かあった時それを使え」

 じゃあこれイズミさんのお手製? ダグラスは手榴弾を見下ろしベリルを見上げる。

 それは少年はただの「お荷物」ではないという事を表していた。

 何かの局面で活躍する場があるかもしれない……少年は嬉しくて笑顔になる。

「命令違反はするな」
「うん、解ってる」

 笑って言った少年の背中をベリルは軽くポンと叩いた。