少年の父親は傭兵家業を引退して5年になる。

 それまでの財と顔の広さで現在も裏の世界では名の知れた人物だ。

 傭兵時代の話を聞き少年は父の偉大さに誇りすら覚えた。

 いつか父のような偉大な傭兵になる……それが少年の夢である。

 そのための第一歩がベリルの弟子になる事だ。

『素晴らしき傭兵』

 そう呼ばれる彼にどれほど憧れただろう。

 なのに……こんな処で待ちぼうけなんて! 少年はふてくされてベッドに寝そべった。