「……ベリルのケチ」

 ホテルでじっと待っている少年は少し苛立っていた。

 住処に連れていってくれないという事は、まだ弟子だと認めていないという事だ。

 彼に出会ってうちに訪ねてくる人たちが彼をひとしきり褒めていた事に多少の疑問を正直、抱いていた。

 しかし、顔合わせの席で彼がリーダーに選ばれたとき羨望の眼差しで彼を見つめるいくつもの目にウソではなかったのだと再認識した。