朝──どこかに出かけようとしたベリルの後ろからついてくる少年を制止する。

「お前はここにいろ」

「どうして?」

「今から行く場所にお前は連れていけない」

「なんでだよ」

 少年は頬を膨らませて抗議した。

「私のためではない。お前のために言っているのだ」

「どこに行くのかだけ教えてよ」

「私の住処(すみか)」

「なんでそれが僕のためなのさ」