確かに、考えあぐねて奴らに時間を与えてしまったのは事実だ。

「それで今回、我々がその資金を全面的に援助しようとなった訳である」

 臆した者は素直にキャンセルしてくれて構わない。そう言われれば受ける他はない。

 誰も抜ける者がいないと確認した依頼者は今までよりも声高に口を開いた。

「この作戦のリーダーを彼に頼みたいと思う」

 示された人物は……

「ベリルか」
「彼ならいけるかも」
「奴が参加するのか」

 口々に発せられる声にベリルは目を細める。

 そして前に出るようにうながされた。

「私が指名されたが。異論のある者は?」

 ベリルは重い腰を上げて前に進み出て発する。

「いる訳ねーだろ」
「頼りにしてるぜ!」

 聞いて小さくうなずく。