「どこに行くんですか?」

「依頼の詳細を聞きに行く」

 本当は少年を連れて行く事はしたくない。

 紹介すれば大々的にベリルの弟子として公認されてしまう。

 今までもベリルに教えを請おうとした人間は何人かいたが、彼はそれを拒否した。彼は己の存在を良しとはしていない。

 そんな自分が人に何かを教えるなど……

 ライカは彼にとって予定外の人間なのだ。

 セシエルの拾い子でなければ放り出したい。