でも……なんだか2人の間に緊張感が漂っているようにも感じられた。

「開けてくれないかな」

「イヤだ」

「もう服の中に手、入れないからさ」

「!?」

 手……!? ダグラスはギョッとした。

「久しぶりに会えたんだから再会を喜び合おうよ」

 男はニコニコとベリルに話しかける。

「喜び合えると思うか」

 しかし彼の目は厳しかった。

「じゃあ俺だけでもいいや」

 そう言って開かれた窓に手をかけて顔をベリルに近づける。