刹那──

「うっ!?」

 後ろから猛スピードでせまってきた車がベリルのピックアップトラックの前で突然止まった。

「……」

 何事かとベリルは眉間にしわを寄せる。

「!」

 そして出てきた人物に目を据わらせた。

「よぅベリル」

「泉か。危ない事はするな」

 ベリルはドアを開かずガラスをスライドさせた。

「……?」

 少年は気安くベリルに話しかける男の声に興味を示し身を起こす。

 赤茶色の髪と瞳。見たところ東洋人ぽい。