「どこに行くんですか?」

「モーテル」

 それに少年は怪訝な表情を浮かべる。

「依頼の詳細をまだ聞いていない。今日はひとまず概要を聞き引き受けるかどうかを決めただけだ」

「依頼!?」

 少年が嬉しそうに目を輝かせた。

「お前を弟子にした訳じゃない。連れていかんぞ」

「ダグラス」

「ん?」

 少年はベリルをしっかりと見据える。

「“お前”じゃない。ダグラス」

 ベリルは「知った事か」と小さく舌打ちした。