「私が15だったのは30年前の話だ。25で年を取らなくなった」

「へ……?」

 ダグラスは意味が解らず呆然とした。

「解ったら帰れ」

「!? まっ、待って……!」

 足早に去るベリルの後ろ姿を追いかけた。

「解りません! それに、それが帰る理由にもなりません」

 一歩も引かない少年にベリルはあからさまに嫌な顔をした。

「私は教えるのがヘタなのだ」

「それはウソでしょ。ライカさんがあなたは教え方が上手いって」

「……」

 あのやろう……帰ったら絞め殺す。ベリルは目を据わらせた。

「ベリル!」

 声がかかって振り返る。