「リンデンローブ……ハミルか」

「そうです。父の名です」

「奴とは10年ほど顔を合わせていない」

「みんな、あなたの事を必ず口にします」

「だから何だ。褒めても何も出んぞ」

 しかめっ面を崩さないベリルに少年は立ち止まり、むくれて声を上げる。

「みんなあなたはとても気さくな人だと言ってたのに! そんな態度は酷すぎます」

 そんな少年にベリルは溜息交じりに発した。

「それも時と場合による」

 私は弟子は取らない。ベリルは再び言い放った。

 ライカも弟子と言えば弟子かもしれないが、長く置いておく気は無いので今はまだ彼の中では弟子ではない。