「有名な傭兵の弟子になりたいって言ったら。あなたを紹介されました」

 ベリルは深い溜息を吐き出す。

「何故、傭兵になりたい」

「格好いいから」

 言われた言葉に呆れた。

「嘘をつくな。私に嘘は通用しない」

「!?」

 少年は驚くと視線を泳がせて応える。

「……初めから、あなたに狙いを付けていました」

「どこで私の名を聞いた」

「父やその仲間から」

「名は?」

「ダグラス・リンデンローブ」

 それにベリルは少し反応する。