それからしばらくが経った。 3階美術室横のトイレは今日も煙草の臭いで充満し、あいかわらず便器の中には大 量の吸い殻、個室のドアにはプライバシーなど完全に無視した大きな穴がいくつ も開いていた。 このトイレには小さな窓があって、ハルはいつもその窓が見える位置に座ってい た。 窓からは隣の銭湯の煙突が見えた。 煙突からはもくもく湯気が立ちのぼり空に溶けてゆく。 「・・・るっ・・・ハルっ!!」