15、人魚



それからしばらくが経った。

3階美術室横のトイレは今日も煙草の臭いで充満し、あいかわらず便器の中には大
量の吸い殻、個室のドアにはプライバシーなど完全に無視した大きな穴がいくつ
も開いていた。

このトイレには小さな窓があって、ハルはいつもその窓が見える位置に座ってい
た。

窓からは隣の銭湯の煙突が見えた。
煙突からはもくもく湯気が立ちのぼり空に溶けてゆく。

「・・・るっ・・・ハルっ!!」