「きれい…」


俺も口には出さなかったけど素直にそう思った。



今まで何回も見た花火だけどそんなに思わなかった。


でも今そう思えるのはきっと隣にいる女の子に恋をしたから。



「渚くん」


空は下を向いて俺を呼んだ。


「…ん?どうした?」


「慎二くんはなんで私なんかを好きになってくれたのかな?」


そう言った空は悲しい顔をしていた。



最近見せなかったあの顔。


出会ったときにたまに見せていた悲しい顔。


やっぱり空は何かを抱えている。



でもそれはわからなくて…。