「……大会」


俺はぼそっと言った。



直樹さんは俺の肩に手を回してきた。


「さすが渚!そうだ!夏休み中に大事な大会があるだろうが!お前ら忘れたのか!?」


そうだった。と呟く部員たち。


どんだけだよっと思った。



「俺たちはこの大会が最後のプレーとなる。だから勝ちたい。お前たちと一緒にバスケができるのもあと少ししかない。」



いつもの直樹さんとは違って“キャプテン”の直樹さん。


遊んでいるような感じの人だけどすごくバスケには熱心で俺はそういうところに憧れていた。



直樹さんとプレーができるのもこの夏が最後。


そう思うとなんだか淋しかった。