白くて今にも飛んでいきそうなそんな印象だった。 彼女から目が離れない。 見入ってしまった。 俺の視線に気付いたのか彼女はボールを抱えてこっちに向かってくる。 俺の心臓はうるさかった。 彼女に聞こえてしまいそうなくらい鳴っている。 彼女は俺にボールを渡しながら言った。 『バスケ好きなんですか?』 知らない奴からいきなりこんなことを言われたのは初めてだ。 でもそう言ってきた彼女の目は真剣でどこか悲しそうだった。 その瞳に吸い込まれそうになる。